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「「小池劇場」が日本を滅ぼす」を読んで考える

書籍名 : 「小池劇場」が日本を滅ぼす
著作者 : 有本 香
出版社 : 幻冬舎
発売日 : 2017/6
ISBN : 9784344031289

なぜ検証をしないのか (2022/12/25)

この本『「小池劇場」が日本を滅ぼす/著:有本香』は、2017年に出版された、やや古い本である。なぜ今、2022年に、読み返しているのかといえば、東京都で可決された「都内大手住宅メーカーを対象とした“太陽光パネル”設置義務化の条例」が、あまりにも酷過ぎると思うからである。

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Photo:Purota/Pixabay

例えば、太陽光パネルは45%が中国で生産される。ウイグルで生産されているものも多いと聞く。使用を厳しく監視するべきではないのか。一部メディアによると、米国で日本の自動車メーカーを含む数社が、ウイグルで⽣産された部品を含む⾃動⾞を⽶国で販売することはできないと、改めて確認を要請されているという。45%を中国で作る太陽光パネル。安易に義務化することは良いのだろうか。監視体制をまず確立するべきではないのか。日本人は「正義」を強調するが、どこに正義があるのだろうか。しかも地球環境への負荷を懸念する意見も多い。

著者の有本香氏は、小池知事の都政が3つの点で「ないない尽くし」だという。まず、小泉純一郎や、橋下徹のように「郵政民営化」や「東京都構想」のような演目が「ない」という。つぎに正規の手続きがない。そして3つ目をつぎのように指摘する。

もう一つ、小池劇場の「ない」は、ファクト(事実)に基づくロジック(論理)がないことだ。最近の小池の記者会見では、まさに「言語明瞭、意味不明(流暢に喋るが、論理はめちゃくちゃ)」な場面がたびたび見られる。

12月18日に「築地虎ノ門トンネル」の開通により「環状第2号線」の全線開通となった。本来これは2020年の東京オリンピック・パラリンピックにあわせて開通するべきものであった。観客が大挙して訪れることはなかったため混乱には至らなかったが莫大な追加費用が発生していないか、それはもちろん「小池劇場」による混乱すべてについてである。

私には、この本『「小池劇場」が日本を滅ぼす』に書かれたことのほとんどは解決していないように思える。あれだけ大騒ぎをしたマスメディア。せめて5時間とかのまとまった時間をとって検証をするべきではないのだろうか。例えば「都議会のドン」と揶揄された議員は本当に大問題だったのか。この問題について、有本氏は次のようなエピソードを記す。

「内田先生、こういうこと過去にありましたか?」そのときの内田の答えぶりに私は驚いた。「○○年の◎会定例会のときの△△の質疑で、誰々がこう言って……」抜群の記憶力だ。しかも、目の前で起きている事象にぴったりの事例を、即座に膨大な記憶のなかから取り出し、すらすらと話す。元テレビ朝日のアナウンサーで、都議会自民党では最年少の議員である川松真一朗氏が以前、内田のことを「都議会の生き字引」と言ったのはこのことかとわかった。

私は自民党が良いとは思わない。だけれどもメディアに踊らされ何も考えないことが、さらに悪い結果になるように思えてならない。

残念ながら日本人は忘れやすい。庶民のほとんどがメディアに煽られ躍っているように、私には見える。問題は、メディアに踊らされ何も考えなければ、しっぺ返しを食うのが、いつも庶民なのだということだ。なぜ子や孫の代に付けを残さないなどという言葉遊びばかりが蔓延るのか。なぜ深く考えないのか。少しは考えないかと言いたい。

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