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心の支えを失ったあなたへ

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「心の支えを失ったあなたへ」を読んで考える

書籍名 : 心の支えを失ったあなたへ
著作者 : 植西 聰
出版社 : 青春出版社
発売日 : 2013/08
ISBN : 9784413038911

魂は肉体を超えた存在であるという考え方 (2013/10/23)

心理カウンセラーなど多くの肩書きを持つ植西聰氏が書いたこの本は、対処療法的な対策リストとしても使える良い本だと思う。「心の支えを失ったあなたへ」という題名どおり、喪失感に苛まれたときに、まず試してみるべき対策リストだと思う。

2章「より大きな視点から考えてみる」の中に、

しかし、愛する人や大切な人の死の悲しみを乗り越えていくためには、天国の存在や、生まれ変わりの伝説を信じることが、とても役に立つのです。

とある。賛成だ。機能脳科学者の苫米地英人氏が「なぜ、脳は神を創ったのか?」と云う本を書いた。本の内容とは違うが、私なりに答えをだせば「役に立つ」からだ。脳が神を創ったのか、脳を含む人間を神が創ったのかは判らないし、著名な機能脳科学者に楯突くようではあるが、科学はそんなに多くのことを判っていない。驚くことに、最近の研究では、脳が停止した後も周囲の状況を認識するという研究発表さえある。兎に角、全ての人の魂、特に自らの魂が、物質や肉体を超えた存在であるという考え方は、自らの心を取り扱う上で、最も役に立つ考えのひとつだと思う。

しかし、最近は少し状況が複雑なのではないだろうか。他人の痛みなど気にもしない為政者は格差を作り、振り落とされた者たちが「負け組」などと称される始末だ。今、深刻な貧困と云う問題を事前に抱えていたりする人が多い。「問題」は複合的にやってくることがあるのだ。それが問題をこじらせる。八方塞りがやってくる。

この本とは違うが、というよりも、もしかしたら、この本に反するのかもしれないが、「止まない雨はない」という言葉が嫌いだ。「止まない雨はない」と考えると、「なぜ、自分だけ雨が止まないんだ」と思う。大体、雨が止むことを心から願いつつも、結局、鉄砲水に流された人たちには何らかの落ち度があったと言うのか。その人たちにとって雨は止んだとでも言うのか。「人は止まない雨の危機に晒されながら生きている」、そんな考え方のほうが私は好きだ。「まさに現実を生きている」、そして、「私たちの祖先が、圧倒的な絶望を乗り越え生きてきたから、今、自分がここに在る」。そんな考え方が、私は、好きだ。

色々と、面倒くさいことも考える。でも、例えば「外に出よう」とか、「人に合おう」と云った基本的なこと、これらは最も効果的だったりするのは間違いない。

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