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徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪 (月刊Hanada双書)

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「徹底検証「森友・加計事件」―朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」を読んで考える

書籍名 : 徹底検証「森友・加計事件」
著作者 : 小川 榮太郎
出版社 : 飛鳥新社
発売日 : 2017/10
ISBN : 9784864105743

だから、私たちは気を付けなければならない (2018/01/24)

「モリカケ」問題の異常さに驚き、背景に何があるのかを考えたくて、何冊か本を読んできた。ついに、小川榮一郎氏が『徹底検証「森友・加計問題」朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』を出版された。少し日が経つが読んでみた。

細かなことではあるが、副題に“戦後最大級の”とある。やはり、戦前に戦争を煽った報道犯罪を思い出す。改めて朝日新聞は存在していいのだろうかと考える。せめて、また戦前のように簡単に情報操作されてしまうのだけは止められないかと思う。

塚本幼稚園は下町の風景の中にしっくり収まり、長年、地元に溶け込んだ幼稚園だった。

この文章にある通り、塚本幼稚園は小さな幼稚園のようだ。確かに“森友問題”は存在したのだろうが、本当に日本中で大騒ぎする問題だったのだろうか。安倍昭恵氏や、日本会議に関係していたというだけで国民を挙げて袋叩きにすることが、本当に正しかったのか。これが私たちの云う“平和”な国なのか。

それでも、たぶん多くの方もそうであったのではないだろうか、私はまだ「モリ」に余り興味を持っていなかった。著者、小川氏も最初はこの報道に興味がなかったそうであるが、多くの方々も多少の偏向報道なら慣れているだろうし、敢えて興味を示さない方も多いだろう。私も、またいつものことだろうと思っていた。

しかし「モリ」から「カケ」と延々と疑問を持たざるを得ない報道が続いた。「カケ」の閉会中審査は、私も興味を持って見ることとなった。

加計問題の閉会中審査、これには驚かされた。現代ではネットで実際の映像を見ることができる。私がネットで見たものは文科省の岩盤規制の問題であり、再就職斡旋問題も引き起こした文科省の闇こそが糺される問題だった。しかし、テレビは違った。たまたま知人宅で見たひとつの番組の個人的感想ではあるが、水戸黄門を見ていたつもりが、悪代官を主人公にした不思議なドラマが放送されていたと感じた。ここまでくると驚きだ。さすがに興味がないなどとも言っていられない。

日本は変わった。何か段階が一つ進んだような感覚を持った。

多くの人は「本当にこの日本で戦争が起こると思うのか」と言う。そりゃ、島を取られて、国民を取られて、更に島を取られて、最後に首都が取られても、何もしなければ、それを戦争とは言わないのかもしれない。でも、本当にそれで良いのか。

多くの人が、日本の最大の問題は“人口減少”だと言う。確かにそれも問題だろう。でも私は言いたい、最大の問題は相対的な“国の縮小”ではないのか。歴史を少し学べば、かつて小国がどれほど過酷な運命を歩んできたのか。しかも、わざわざ大金をかけて“反日”映画やドラマを作り、国民の反日感情を煽っている国がある。そんな憎しみを摺り込まれた人々が、相対的に小さくなっていく日本を見逃してくれると考えるほど愚かなことはないと思うのだが。そのうえ、歴史を見れば、戦争とは桁違いの犠牲が、庶民から出るというのに。

余り多くの人ではないが、戦前に戻れば多くの問題が解決するという人もいる。確かに現代の日本よりはマシな部分も多いと思う。でも、私のような庶民からすれば勘弁してほしいとしか言いようがない。戦争になっても、確かに現場レベルではまだ勝てるのかもしれない。では、その先はどうなのか。戦前から何も進歩していないどころか、劣化しているとしか思えない国の指導者層や、巨大組織の指導者たち。更には簡単に情報操作されてしまう庶民たち。何の進歩もしていないではないか。みっともなく逃げ回る今の日本が、最も犠牲の少ない道ではあるのかもしれない、どちらにしろ、そう永く、この状態は続かないようではある。そう、何か段階が一つ進んでしまったように感じる。

そもそも、日本人は「お上」とか「しかるべきところに出て」などと言うが、それは、かつて日本が、他の国々よりは、少なくとも遥かにマシな統治者をもっていた時代に通用した概念だ。現代日本人の大好きな“世界標準”に当てはめれば、「お上」に頼んでも当てにならない、「しかるべきところ」は金持ちや権力者の言いなりなのではないのか。仁徳天皇の“民のかまど”は有名な話であるが、今の日本では巨大災害が起きるとすぐに増税が議論される。順番が逆ではないのか。医者にいっても、病状を訊かれる前に、十分な健康保険に加入しているかとか、クレジットカードの加入状況を訊かれるようなものだ。

軍靴の音が聞こえるという人がいる、日本も変わった、しかし、まだ先だと思う。これは私の個人的持論ではあるが、本当の危機は、自らの保身のために、朝日新聞が“保守”を自称し始めた時に訪れるように思う。ここで云う朝日新聞とは、戦前の象徴として、あの戦争を煽りまくった朝日新聞的な存在についてではあるが。だから、私たちは気を付けなければならない、これが私の持論である。

どうも「モリカケ」について考えていると、色々と余計なことまで考えてしまう。この本『徹底検証「森友・加計問題」朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』を読んで、私が考えたことは、余りにも簡単に情報操作されてはいないか、と庶民に問いたいということだ。

この本には「森友・加計事件」の展開が時系列に沿って描かれている。安倍首相の近くの人が関わっていたというだけの問題が、いかにして日本中の人々が知る事件となっていったのかが書いてある。著者、小川氏は、籠池氏の証人喚問での発言を受けて次のように記す。

明らかな偽証や嘘をこれだけ公然と重ねておきながらこう言い切ってしまえる籠池をみていると、なるほど「事実は小説より奇なり」だ、人間という生き物は全く訳のわからないものだと唸らずにはいられない。

この本では、著者、小川氏による取材と、それらを元にした推論で、事件の構図が描かれ、まるで小説のように、多くの登場人物や組織が次々と繋がって行く。ここに描かれた構図の真偽は私にはわからない。しかし「モリカケ」には驚かされた。改めて情報の受け止め方に対する警鐘が鳴らされたよう感じる。

この本に書かれた内容については司法の場で精査されるようである。興味を持って見ていきたいと思う。“ネット”では詳細に報告されるであろうから。

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