ホーム 近頃思う 「日本、ドイツに勝つ」と「熱量」を思う

「日本、ドイツに勝つ」と「熱量」を思う

サッカーワールドカップカタール大会で日本が、ランキング上位のドイツに勝った。

日本はランキング24位で、ドイツは11位なのだが、優勝経験のあるドイツとの差はランキング順位以上に大きかったと思う。

内容については多くのメディアで、解説をされていたが、DAZNの解説が秀逸であったように思う。サッカーは兎に角走らなければならないスポーツなので野蛮なスポーツだと長いこと勘違いしていたが、トップレベルではいかに頭を使うかが重要な洗練されたスポーツなのだと改めて感じる。

国旗

国旗。photo: jorono @Pixabay

今回、私が書きたいと思ったことは、渋谷の盛り上がりについてである。Jリーグが1993年に始まり、それまであまり人気のなかったサッカーがブームになった。私は当時、青山で働いていたが、数キロ離れた国立競技場のブブゼラの音が聞こえてきていたことを今でも思いだす。その後、1998年にワールドカップ初出場。この時も盛り上がったのだが、何よりも、共催ではあるが日本で開催されることとなった2002年の盛り上がりは、本当に凄まじかった。

その頃私は、渋谷で働いていて、とんでもない数の人がスクランブル交差点付近に集まっていると聞き、見に行くことにした。駅の方へ歩いてゆくと、まもなくその人の波に飲み込まれた。日本では当時、ハグをする習慣などはなかった。しかも見ず知らずの人とハグをし合う数万人の沸き立つ群衆に、サッカーは本当にすごいと単純に感動したものだ。

今回の大会は、かつてローマで優勝に貢献した中田とか、レスター・シティで奇跡の優勝メンバーの一人となった岡崎とか、ドルトムントの香川のようにわかりやすいスター選手がいなかったし、直前のカナダとの練習試合でも残念な負け方をしていたので、今回はグループステージを勝ち上がることはないのだろうと見ていた。毎回のことなのではあるが監督への批判も多かった。地上波での放送もあったが、前半を見る限りその通りの展開だった。だが後半まさかの2得点で勝利した。ドイツの油断があった気もするがそれが戦略だとすれば、すごいことかもしれない。

私としては、やはり気になるのは、今一つ盛り上がりに欠けていないか、日本中からサッカーに限らず熱が逃げてしまっているのではないかという気がしてならないことである。渋谷に集まった人は雨であるとか、コロナの影響であるとかさまざまな要因もあるが2002年から比べると数百分の一程度の人数だったのではないだろうか。警察も警戒はしていたようであるがほぼほぼ何もすることはなかったように思う。2010年のワールドカップの盛り上がりを伝えるニュース映像があったので貼っておこうと思う。

とにかく今回の勝利は凄い事である。これで日本がもっと元気になってくれると良い。

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