ホーム 近頃思う 増税、増税、また増税ですか

増税、増税、また増税ですか

2022年12月8日、首相の岸田氏は防衛力強化に必要な財源確保のためと謳い、増税の方針を発表した。ロシアとウクライナの紛争、北朝鮮のミサイル発射、中国の領海侵犯など、防衛費増額に対する国民の反対圧力は弱まってきている。しかし、多くの人が内容に対して異議を唱えている。自衛隊イラク派遣の隊長を務めた「ヒゲの隊長」として有名な自民党、佐藤正久氏はTwitterで異論を発信する。

防衛費を増額しても結局、既得権者に利益を落とすだけではないのか。実際の増額分で海外の武器を買わされるとしたら、全く本来の防衛費は増えていないのではないか。災害時の自衛隊の活躍を考えると、防衛費増額反対派にあっても一定の理解は示される。だけれども実際は自衛隊の方々の待遇の改善には繋がらないではないか。しかも、段階的な税率引き上げを予定しているというのだからウンザリする。

わが国には「民のかまど」のような代々伝わる話がある。民が貧しく、かまどの煙が上がらない時に、当時の仁徳天皇は税を徴収せずに、かまどから煙が上がるのを待ったといわれる。でも、そんな時代は終わったのだ。

震災が起こったとき、真っ先に議論されたことは増税であった。まさか街が燃えて煙が上がっているのを、「民のかまど」の煙と見間違えたわけではあるまい。しかも、痛みを分け合うはずだった「国会議員の歳費2割カット」は2年で終了したが、復興特別所得税は25年続く。日本は災害が極めて多い国である。25年もすれば、またどこかで災害が起こってしまう。残念ながら、これは恒久的な増税だ。ガソリン税のトリガー条項も、結局は震災を理由に凍結されたまま、発動されることもない。そもそもガソリン税特例税率の本来の目的はとっくに終了しているのにである。

税金は国の景気を良くして増やすものではないのか。なのに景気を冷やし、景気の悪いときでも税収を確保することばかりが議論されている。「安定財源」と言えば聞こえは良いが、どうやって「民のかまど」から煙が上がっていない時に税金を毟り取るか、そんなことばかりが議論されているわけである。

おすすめ記事

トップへ戻る