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12月8日、真珠湾攻撃を思う

1941年、今から約80年前の12月8日は真珠湾攻撃の日、日本が第二次世界大戦へと突入していった日だ。この攻撃をきっかけにすでにヨーロッパでは始まっていた世界大戦に日本も加わることとなる。

80年も前の過去のことであり、今はそんなことは起きないと言う人もいるだろうが、1945年敗戦の日からすべての戦争と無縁になれたと思うのはどう考えても幻想ではないだろうか。冷戦という構造に守られ日本は繁栄を謳歌した。1989年の冷戦崩壊に前後し、プラザ合意やさまざまな要求にさらされ失われた30年に陥るわけである。

「世界価値観調査」を基に、プレジデントオンラインが報じた『「国のために戦いますか?」日本人の「はい」率は世界最低13%…50歳以上の国防意識ガタ落ちの意外な理由』という記事には、世界でも際立って低い日本人の国を守る意識について書かれている。

保守的な人は国を守る人の割合が少ないと嘆くが、国を守って悪者にされたのではたまったものではない。何よりも次はどう考えても勝てない。私は戦ってくれた人たちを悪者にしてしまった世論は罪深いと思う。メディアは従軍慰安婦などという言葉をねつ造してまで国を守った方々への敬意を崩壊させ、国民はそれを支持した。

今でも日本人は与えられた作戦を逆らうことなくこなすであろうが、それでもかつての兵隊のような強さはどこにも見当たらない。有事にも日本人は整然と行動するであろう。でもそれだけで戦いを勝ち抜けるのだろうか。

20世紀の前半に比べれば、失われた30年の後でも、物質的には遥かに豊かになっているはずなのに、日本人はどう考えても様々な意味で弱くなっていると思う。1904年に日露戦争に従軍した櫻井忠温(ただよし)氏が「肉弾」という本を出した。その本に書かれている当時の日本人は極めて強かった。胸部を貫かれ、なおも流血を意とせず、千メートルも前進した後に息絶えたというのだ。そんな強い日本人が、当時最先端であった塹壕戦を勝ち抜いたのだ。とても今の日本人には考えられない。

私がここで文字を並べているのは、平和でまだ何かができるうちに、少しは考えないかと問いたいのだ。そして、二度と出してはいけないのが「山本五十六」なのである。なぜハワイ真珠湾を攻撃したのか。歴史研究家の林千勝氏はアメリカの国民は戦争をする気など毛頭なかった、「山本五十六」以外はすべて真珠湾攻撃に反対だったと言う。たった一人の明らかな間違いを誰も質すことができなかったのだ。そして現在、それはもっとひどくなっているのではないか。とてもとても正しい方向には進んでいるとは思えない。

庶民にできることは、平和な時しかないと思う。少しは考えないかと思う。

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