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庶民には思いもつかないような世界・暗号通貨

暗号通貨について書こうと思う。

2017年くらいのことだったと思う。知り合いが暗号通貨に嵌って、私も話を聞いたことがあった。それもビットコインなどのメジャーなコインではなく、所謂、アルトコインといわれる余り聞いたこともないコインの取引に熱心であった。
そんな影響や、多くの人々が資産とはとても呼べないようなコインに熱狂する様が面白く、まるで17世紀のチューリップ・バブルがリアルタイムで見られるような興味を持って、少し調べたことがある。

調べていた当時、1ビットコインの価格は、十数万円だった。その価格がしばらくすると200万円ほどとなり、その後急落したが約40万円で下げ止まった。ビットコインの専門家が言うにはマイニングが成り立つ最低の価格が40万円程度だったそうである。

私は、どうも価格は操作されているような気がしてならなかった。でも、だから余計に、この後しばらくすれば、もう一度200万円くらいまでは上がるのだろうと読んだ。その当時、余り自由になるお金もなかったこともあるが、実際には購入することはなかった。この記事を書いている2022年の今日、価格は300万円程度まで急落したが、一時は700万円ほどまで高騰した。まさかこれほどは上がらないと思っていた。ビットコインには、一定の需要はあるだろうと考えていたが、これほどだとは全く想像さえできなかった。

2017年頃、私が考えていたことは、暗号通貨には一定の需要はあるが、それはビットコインではなく他のコインが取って代わるのではないか。なぜならばビットコインは設計が古く、後発の弱点を改良したコインに取って代わられるということだった。さらに膨大な電力を消費するプルーフ・オブ・ワークの仕組みはプルーフ・オブ・ステークなどの仕組みに変わられるであろうと考えていた。現在、暗号資産の主役は未だビットコインである。しかし膨大な電力を消費するプルーフ・オブ・ワークは批判の的となり、プルーフ・オブ・ステークの仕組みを取り入れるコインが現れるようになった。また2017年当時、まもなく国家が暗号通貨を発行するのではないかと考えたが、それは非中央集権的なコントロールとは無縁の管理のためのツールとして発行されると考えた。

私が今思うこと、それは、なぜ1ビットコインが700万円程度まで高騰したのかということ。それは単純に投機マネーが集中したということなのだろうか。私は暗号通貨にも一定の需要はあると考えていたわけだが、それは例えばマネーロンダリングとか、アンダーグランドな需要だと考えていた。現在も反社会的な需要は、当然、実際に存在している。世の中にはアンダーグランドマネーは想像をはるかに超える額なのだろうか。

私は今も、どうしても暗号通貨に資産としての価値があるとは思えない。株のようにPER、PBRなどの指標もない。でも世界には、私たち庶民が考えも及ばないような資金、又は資金に似たもの、それらを扱うためのツールへのニーズがあるのではないだろうか。暗号通貨だけでなく、通貨制度に対しても思うことではあるが、本当に庶民には思いもつかないような世界があるのかもしれない。

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