ホーム 近頃思う 来来軒を知っているか

来来軒を知っているか

30年くらい前に、埼玉県さいたま市大宮区、当時の埼玉県大宮市で、広告の法人営業をしていた。新規取引の開拓に力を入れていたので、伸びている会社、大きくなっている会社を探していた。その頃は夜遅くまで仕事をすることも多く、事務所で出前を取って食事をすることも少なくなかった。近くにあった「来来軒」という中華屋さんが出前をしてくれた。味は悪くはなかった。美味しかった。特に遅い時間になって疲れた体には沁みる気がした。何よりも、当時、ひとり暮らしをしていた私にとって、ありがたい存在であった。

その当時、伸びている会社を探していたわけだが、まさか、夜遅い時間に出前を届けてくれた中華屋さんが、もしかしたら大宮近辺で一番成長した会社であったのかもしれない。今の日高屋、関東地区を中心に多くの店舗を持つハイディ日高である。本当に30年という月日は面白くもあり、残酷でもある。当時、私が担当していた大手の系列企業はすでにないところも多い。本当に分からないものだ。

来来軒

昔は街の中華屋は普通に出前もしていた。それでも、今の日高屋、当時の来来軒で出前を取っていたと言うとなかなか信じてくれない人が多い。ところが先日、テレビ東京の「カンブリア宮殿」という番組に社長が出て、昔は出前をしていたということを話していて私が言っていたことが嘘ではないということを証明できたのではないかと思う。

昭和初期、戦争のあった時代と比べると昭和後半から令和まで、大きな変化のない時期のようなことを言う人もいるが、戦争もなく直接人が死んで行くことはなかった、それでも本当に色んなことがあったのではないかと思う。テレビ東京の経済ニュースは個人的にはあまり役に立たないとは思うし、経済評論家の上念司氏も色々なメディアで、よく「経済ニュース以外は良い局だ」と言っている。確かにバラエティーは私も好きだ。でもそれだけでなく、企業を紹介した番組も好きである。平和な時代ではあるが様々な企業が淘汰されていった。たぶんそれなりに難しい時代となったのではないかと思う。

難しい時代を生き抜いてきた企業を見ることはとても興味深い。そんな企業を紹介する番組は、確かに人に何か特別な感覚を抱かせることもあるのではないだろうか。

トップへ戻る