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本当に円安なのだろうか

近頃、ずっと思っていたことがある。本当に円安なのかということだ。図1を見て欲しい。主要通貨に対する円の価格を2022年1月を1として計算した表である。確かに円安の傾向はある。しかし、こんな状況の時、以前であれば、円安と併せて「ドルの独歩高」を経済ニュースでも取り上げ、分析していたことを覚えている。近頃は、ほとんどTVを見ないが、たまたま見る機会があると「超・円安」などという言葉を並べたてている。今はTV以外にも、TVerなどや、YouTubeに動画をアップしているTV局もある。それらも状況は変わらない。

対円・主要通貨

図1 2022年1月を1として計算。公開情報を元に蒲生朗が作成。フランはスイスフラン。

どうみても「ドルの独歩高」にしか見えないので、両論併記という意味で、現在の状況を解説している動画を貼っておきたい。本来はTVが両論を併記するべきではないかと思うが、なぜか、報道しない自由ばかりが表に出てくる。民放なら、一万歩くらい譲ればわからなくない気もするが、NHKは役割を終えたのではないか、解体が妥当ではないかと思う。

問題は値上げラッシュだ。図1には反映されていないが、11月10日から対ドルで円は値を上げている。本当に「超・円安」が理由であれば値上げラッシュは収まるだろう。しかし、私は到底そうはならないと予測している。

なぜ、円安ばかりが報道されるのだろうか。少し、話は逸れるが、本当に不謹慎ながら、安倍元首相が凶弾に倒れた時、まず頭をよぎったのが「超・増税」だった。このことは、事件当時にも書いた。安倍元首相がやってきたことには不満も多いが、それでも「超・増税」国家から国民を守ってくれていたことを、どこかで意識していたのかもしれない。そして現在の矢継ぎ早の増税政策。そうなると、次は金融緩和の打ち切り、黒田日銀総裁の交代がくるのではないかと考えることは自然であろう。そのための「超・円安」報道ではないことを祈るばかりだ。

庶民が、経済を考えて何になるのかと言われそうな気もするが、それでも庶民ができることをやっていれば、30年も続く経済の停滞、庶民の苦しみは随分と緩和されていたのではないかと、私は思う。

TVばかり見ていないで、できることは有る筈だ、「考えようよ」と私は思う。

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